病棟勤務の忙しさに疲れて「もう少し自分の時間を大切にしたい」と考える看護師は少なくありません。
夜勤や残業で生活リズムが崩れ、心身の負担を感じることも多いですよね。
そんなとき、転職先の候補として人気があるのが クリニック勤務 です。
夜勤がなく、休日もカレンダー通りに近いため魅力的に映りますが、実はデメリットもあります。
この記事では、実際にクリニック勤務をして感じたメリット・デメリット、さらに 職場選びで外せないポイント をまとめました。
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1. クリニック看護師として働くメリット

これまでいくつかのクリニックで働いてきましたが、今もクリニック勤務を続けているのにはちゃんと理由があります。
1、夜勤がなく規則正しい生活ができる
2、日祝・長期休暇が休みで予定が立てやすい
3、急変対応やプレッシャーが少なく精神的負担が軽い
4、基本スキルで働ける
5、専門知識やスキルを磨ける
6、地域に貢献でき、患者さんと距離が近い
7、委員会や看護研究などがない

クリニックだからこそ、続けられている理由があるよ!
夜勤がなく規則正しい生活ができる
病棟勤務では夜勤や不規則なシフトが続き、どうしても体調や生活リズムが崩れがち。
昼夜逆転とまではいかなくても、夜勤の連続で体のリズムが乱れ、思うように休めない日々が続きやすいです。
私の場合は家庭もあったため、家事や育児との両立でさらに無理を重ね、疲労感が積み重なっていきました。
睡眠が浅くなり、十分に休んだつもりでも体が重い…。便秘や肌荒れといった不調も当たり前のように出てきて、常にどこかしら不快感を抱えていました。
その点、クリニックは日勤のみ。朝起きて夜に眠るという自然なリズムに戻れることで、体調が安定しやすい。
夜勤で乱れた体と心を立て直せるというのは、クリニック勤務ならではの大きなメリットだと思います。
日祝・長期休暇が休みで予定が立てやすい
多くのクリニックは 日曜・祝日が固定で休み になっています。
さらにお盆や年末年始、ゴールデンウィークといった長期休暇に合わせて休診にしているところも多く、年間を通してカレンダーに沿った働き方がしやすいのが特徴です。
病棟勤務だと「せっかくの連休なのに仕事が入っていた」「友人や家族の予定に自分だけ参加できなかった」ということが日常茶飯事でした。
その点、クリニックは予定が読みやすいので、旅行やイベントなども前もって計画でき、プライベートを充実させやすい環境です。
「子どもの学校行事に合わせたい」「友人と休みを合わせたい」といった希望がある人にとって、カレンダー通りの休みが取れるのは大きな魅力。
家族や友人との時間を大切にしたい人にとって、クリニック勤務はまさに安心して選べる働き方といえます。
急変対応やプレッシャーが少なく精神的負担が軽い
病棟勤務では、いつ急変が起こるかわからない緊張感の中で働くことになります。
ナースコールが同時に鳴り続けたり、患者さんの容体が急に悪化したりと、常に「次は何が起きるかわからない」状態で動かなければなりません。
こうした張り詰めた空気は、体だけでなく心にも大きな負担となります。
勤務が終わっても気持ちが落ち着かず、帰宅後も頭の中が仕事でいっぱいだった…という経験をした人も多いのではないでしょうか。



家に帰っても、ナースコールや救急車の幻聴があったなぁ・・・
その点、クリニックは 重症患者や入院対応がなく、急変対応に直面することはほとんどありません。
業務の多くは採血・点滴・診察補助といったルーティンワークで、流れがある程度決まっているため、気持ちに余裕を持って取り組めます。
もちろん忙しい時間帯はありますが、常に緊迫した状況にさらされる病棟と比べれば精神的プレッシャーは少なく、落ち着いた環境で働けます。
その結果、患者さんとのコミュニケーションにも丁寧に向き合えるようになり、「看護って楽しい」と再確認できるのがクリニック勤務の良さです。
基本スキルで働ける
特別な資格がなくても、採血や点滴などの基本スキルがあれば十分に働けます。
「ブランクがあるから不安」という人でも挑戦しやすい環境ですし、最初は医師や先輩スタッフのサポートを受けながら慣れていけるので安心です。
病棟のように複雑な処置や多重業務に追われることが少ないため、少しずつ感覚を取り戻しながら働けるのもクリニックの魅力といえます。



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専門知識やスキルを磨ける
美容・透析・循環器など、特化型のクリニックでは 専門性を深められるチャンス があります。
病棟勤務と比べると業務範囲は狭く感じるかもしれませんが、その分ひとつの分野に集中して経験を積むことができます。
たとえば美容クリニックなら美容医療の最新機器を扱いながら、施術の知識や接遇スキルを磨けます。
透析クリニックなら穿刺・返血といった手技はもちろん、患者さんの長期的な経過観察や生活指導の経験を積むことができます。
循環器クリニックであれば、心電図やエコーなど検査の経験を積み、生活習慣指導に関わる機会も増えます。
このように特化した分野で働くことは、転職活動をする際にも「強み」としてアピールしやすくなります。
自分の興味がある領域に挑戦すれば、看護師としてのキャリアアップにもつながるのがクリニック勤務の魅力の一つです。
地域に貢献でき、患者さんと距離が近い
クリニックには長く通院する患者さんが多く、自然と名前や顔を覚え合える関係になります。
通院のたびに短い時間でも繰り返し顔を合わせることで、「最近体調はどう?」「お孫さんの運動会どうでしたか?」といった日常の会話が生まれ、生活背景にも触れられるようになります。
こうした関わりは、看護師としての原点である人と関わる楽しさを再認識させてくれます。
また、患者さんとの距離が近いからこそ、バイタルや問診で小さな変化に気づき、すぐに医師へ報告できる場面もあります。
その結果、検査や処置がスムーズに進み、患者さんの時間的・身体的な負担を最小限にできたとき、看護師だからこそ気づけた、いい対応ができたと実感できるのです。
治療だけでなく、患者さんに寄り添う存在として必要とされる喜びを感じられるのは、クリニックならではの魅力。日常の積み重ねの中にある小さな判断や関わりが、大きなやりがいにつながっています。
委員会や看護研究がない
一般的な小規模クリニックでは、病院のような委員会活動や看護研究に参加することはほとんどありません。勤務時間外に資料を作ったり、休日に研究発表の準備をする負担がないため、仕事とプライベートを分けやすいのが特徴です。
ただし、透析クリニックや規模の大きい医療法人が運営するクリニックでは、委員会や看護研究が設けられている場合もあります。
そのため「委員会や研究に関わりたくない」という人は、求人票だけでなく面接時にも確認しておくと安心です。



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2. クリニック看護師として働くデメリット


今度は実際に感じた、クリニックのデメリットを紹介します。
1、高度なスキルを身につけにくい
2、給与が低め
3、福利厚生や退職金が不十分
4、看護師以外の雑務も多い
5、急な休みが取りにくい
6、人間関係が濃くなる
高度なスキルを身につけにくい
クリニックは外来中心で、重症患者や入院対応がないため、急変対応・全身管理・高度医療機器の使用などを経験する機会が限られます。
そのため「キャリアの幅を広げたい」「高度スキルを積みたい」と考える看護師にとっては物足りなさにつながりやすい点が、最大のデメリットといえます。
給与が低め
クリニック勤務は「給与が低めになりやすい」と言われます。
確かに病棟のように夜勤手当がつかないため、平均年収はどうしても下がりがちで、症例によっては100万円以上下がることもあります。
ただし、これは一概に言えることではありません。厚生労働省の「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、看護師の全国平均年収は約519万円(2024年実施)とされています。※月給・ボーナス・諸手当を含む総額で、年によってベースアップ評価料などの影響により変動する可能性もあります。詳しくは厚労省の調査結果をご覧ください。
私自身、透析クリニックで勤務していた際には年収は550万円を超えていた一方、現在の一般的なクリニックでは平均より少し下回っています。



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福利厚生や退職金が不十分
小規模クリニックでは、福利厚生や退職金制度が整っていないケースも少なくありません。
特に注意したいのが社会保険の種類です。病院勤務の多くは「健康保険+厚生年金」ですが、クリニックでは「医師国保」や「国民健康保険」に加入することもあります。
この場合、制度によっては 出産手当金や傷病手当金が支給されない ことがあり、いざというときの保障に差が出てしまいます。



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また、退職金制度がないクリニックも珍しくなく、長く働いても将来の蓄えには直結しにくい点はデメリットと言えます。
看護師以外の雑務も多い
クリニックでは、看護師と受付の仕事の境界があいまいになることがあります。
受付補助や電話対応、書類整理、備品管理、掃除など、「本来は受付の仕事では?」と思うような業務を任されることも少なくありません。
一方で、受付スタッフが看護師の専門業務を代わることはできないため、結果として看護師側にだけ業務が偏り、不満につながるケースもあります。
さらに、少人数体制のため「お互いにカバーし合う文化」があり、柔軟に動ける気持ちがないと続けにくい点もデメリットといえます。
急な休みが取りにくい
少人数体制のクリニックでは、一人が休むと業務全体が回らなくなるリスクがあります。看護師だけでなく、事務や受付スタッフも少数のため、急な休みが出ると「誰が代わりに入るか」で毎回調整が必要になるのです。
そのため、子どもの行事や体調不良での休みに理解があるかどうかは、とても重要なポイント。休み希望が出しやすい環境なのか、有給は消化できるのか、代替スタッフをどう確保しているのかは、転職前に必ず確認しておきたい点です。
例えば、
- 「子育て世代が多くお互いさまの雰囲気があるクリニック」
- 「家族の事情に柔軟な院長や事務長がいる職場」
小規模だからこそ“人間関係と休みやすさ”が働きやすさを左右すると言えるでしょう。
こうした環境であれば、安心して働き続けることができます。逆に、「休むなんて迷惑」「みんなの負担になる」という空気が強い職場では、長期的に働くのは難しくなってしまうかもしれません。
3. クリニック勤務が向いている人


これまでのメリット・デメリットを踏まえると、クリニック看護師が向いているのはこんな人です。
1、ワークライフバランスを大事にしたい人
2、患者さんとじっくりコミュニケーションを取りたい人
3、協調性を持って働ける人
4、複数の業務をテキパキこなせる人
1. ワークライフバランスを大事にしたい人
クリニックは夜勤がなく、病棟に比べて残業も少ない傾向があります。
家庭の時間を大切にしたい、趣味や学びに時間を使いたいと考える人には働きやすい環境です。
「仕事も大事だけど、プライベートも充実させたい」という人にぴったりです。
また、勤務形態は正社員だけでなく短時間パートの求人も多いため、状況に応じて柔軟に働き方を選べ、無理なく看護師を続けやすいのも魅力です。



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2. 患者さんとじっくりコミュニケーションを取りたい人
クリニックでは、同じ患者さんが定期的に通院するため自然と顔なじみになりやすく、日常会話を交わしながら体調の変化を細かく見守る関わり方ができます。
「この前お孫さんどうでしたか?」といった生活背景に触れるやり取りから小さな変化に気づけるのも、クリニックならではの魅力です。
人と関わるのが好きで、コミュニケーションを大切にしたい人にとっては、大きなやりがいにつながる環境といえるでしょう。
3. 協調性を持って働ける人
クリニックで働くうえで、協調性はとても大事なポイントです。
少人数のチームで診療を回しているので、一人ひとりの行動がそのまま職場全体に影響します。看護師・受付・医師との距離が近い分、チームワークを意識して動けることが求められます。
人間関係が濃いからこそ、協調性がないとすぐにストレスにつながりやすいのも正直なところです。反対に、「困ったときは助け合う」「状況に合わせて柔軟に動ける」タイプの人は周りから信頼され、安心して働ける環境をつくることができます。。
4. 複数の業務をテキパキこなせる人
クリニックでは、看護師の仕事だけでなく、受付の補助や電話対応、掃除や備品の管理まで任されることがあります。病棟で「看護業務だけ」に集中してきた人にとっては、最初は戸惑うかもしれません。
でも、少人数の職場だからこそ、いろんな仕事をテキパキこなせる柔軟さが求められます。ときには「これって本来は受付の仕事では?」と思う場面もありますが、そこを前向きに対応できる人はチームに欠かせない存在になれます。
「看護のスキルだけに集中したい」という人には負担に感じやすいですが、逆に「幅広く対応できる自分でいたい」「小回りがきく働き方が好き」という人には向いている環境です。
4. クリニック求人を探すときに外せないポイント
クリニックは病棟に比べて規模が小さく、職場ごとの差が大きいのが特徴です。そのため、求人を選ぶときには自分が何を優先したいかを明確にしておくことが大切です。
1. 休み・働き方を重視する人
夜勤がなく日勤のみが基本ですが、残業の有無や休日の取り方はクリニックによって大きく異なります。土日祝休みかシフト制かで生活リズムは変わるため、休日体制と残業時間の実態を必ず確認しましょう。
とくに「年間休日120日以上」の求人を選ぶと安心感があり、さらに看護師が3名以上在籍している職場なら休みの調整がしやすくなります。人数が多いほどシフトの融通がきき、プライベートを大切にできます。
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2. 家庭との両立を重視する人
子育てや介護と両立するには、勤務形態の柔軟さが大切です。短時間パートや午前・午後のみ勤務の求人があるか、急な休みに理解があるかを確認して、家庭優先で働ける環境かどうかを見極めましょう。
家から近いクリニックを選べば、中抜けの時間に一時帰宅できる場合もあり、家事や育児との両立がしやすくなります。クリニックには多様な働き方があるため、家庭優先で働ける職場を選ぶことが可能です。
3. 給与・待遇を重視する人
夜勤手当がない分、給与水準は病棟より低めの傾向があります。ただし、透析クリニックや美容・AGAなどの自由診療クリニックは比較的高収入のケースもあります。賞与・昇給制度、退職金の有無を含めて確認し、条件交渉には転職エージェントを活用するのもおすすめです。
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4. 人間関係や職場環境を重視する人
少人数体制のため、職場の雰囲気や人間関係の影響は大きめです。口コミや紹介を参考にしつつ、実際に見学して「スタッフ同士が助け合っているかどうか」や「院長の雰囲気」を確認しておくと安心です。求人票には載らない部分だからこそ、自分の目で確かめることが大切です。



自分の優先順位を明確にするれば、きっと納得できる職場に出会えるよ!
まとめ


クリニック勤務には「夜勤がなく生活リズムが整う」「休日が多く予定が立てやすい」といった大きなメリットがあります。
一方で「給与が下がる」「雑務が増える」「スキルを維持しにくい」といったデメリットもあるのが現実です。
大切なのは、自分が何を優先したいのかを明確にしたうえで職場を選ぶこと。
ワークライフバランスを取りたいのか、家庭を優先したいのか、それとも給与を重視するのか…。答えは人それぞれです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。少しでもクリニック勤務を考える際の参考になれば嬉しいです🌸